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 普段私たちの食べているものの中に漢方薬がたくさんあることを御存知でしょうか。医食同源という言葉がありますが、東洋では、食事も治療のひとつです。インドのカレーの香辛料も身体の状態により配合をかえるそうです。
ですから、その意味で和食は大変良いのです。ただ塩分に気をつけて頂きたいのですが、理想となるのは関西の味付けです。つまりだしで塩分控えめ、漬物も塩分より酢の味付けをおもんじるという具合です。
以下普段食べているものでこのような時に良いというものをあいうえお順に述べてみます。

◆あわび
最初に値段の高いものが出てきました。あわびの缶詰の液にはポリオウイルスに対する抑制作用があり、未加工の鮮あわびの汁には黄色ブドウ球菌抑制作用があるとも文献に出ています。でも生は最近小型球形ウイルスというものが付いていることもあり、牡蠣の生も含めて注意は必要です。慢性腎炎、肺結核、   
高血圧、貧血、老人の頻尿などに利くとでています。ねぎと煮ると乳汁の出が良くなるそうです。

◆アロエ
便秘、胃症状、胆嚢、水虫などの真菌などに効きます。でも多量に服用すると腹痛、骨盤の充血をきたすそうです。

◆あんず
漢方で使うのはあんずの種ですが、咳やお通じに効きます。でも食べ過ぎるとふらつき、嘔吐することもあります。これは後で出てくる銀杏も同じです。

◆梅
咳、痰、解熱、消化不良、下痢、などの効果があり抗菌作用もあります。でも胃酸過多の人には注意です。

◆海藻
甲状腺機能の異常のない甲状腺腫に。慢性リンパ腺炎。高血圧や動脈硬化の予防と治療に効果があります。

◆牡蠣(かき)
多くのアミノ酸ビタミンを含みウイルスにたいし抑制作用があるそうですが最近は先ほど述べた小型球形ウイルスによる汚染していることもあり生で食べるのには注意が必要です。スーパーなどで買う生食用もフライや鍋物にしたほうが良いかも知れません。生も酢のものにしたほうが良いでしょう。

◆菊花
菊の花です。これは食用で売っています。ばい菌を抑制し、かび、つまり水虫を抑制し、お小水の出を良くし、血圧を下げる作用もあります。また、目のかすみ、痛みにも効くようです。

◆銀杏(ギンナン)
いちょうの種子です。咳に効き尿の出を良くします。軽度の毒性があるので、過量にとってはいけません。ご飯に混ぜて炊くと咳が冶まるそうですが、3合あたり4~5ケくらいまでです。

◆葛(くず)
昔風邪をひいた時に葛湯を食べたという人もおられたでしょう。最近は葛湯を食べるということも少なくなりました。でも葛根湯は御存知の人も多いと思います。漢方では根をつかいます。デンプンをふくみ、熱さましにもちい、インフルエンザに効きます。下痢にも利くそうです。また心臓の血管、脳の血管を広げ血流を良くします。

◆くるみ
利尿、通便、鎮咳、滋養強壮の働きがあります。

◆胡椒
少量で食欲を増進しますが、大量では胃粘膜を刺激して充血性炎症をおこすことがあります。

◆小麦
良くご飯に麦を混ぜると良いといいますが、その通りです。大麦も同じです。汗をおさめ、鎮静作用、坑利尿作用があり、子供の夜尿などのも良いと出ています。

◆米(稲)
胚芽米や五分つきのお米玄米などが身体に良いのです。健胃、消化促進作用があります。でも勿論良く噛む事が大事です。

◆胡麻
滋養、通便の作用があります。高血圧、動脈硬化、自律神経失調症などで頭がふらつく、目がかすむ、耳鳴り、頭痛などに、またしびれなどにも良いです。

◆昆布
海藻と同じようにヨードを含むので甲状腺腫大に効きますがその前に甲状腺働きや超音波の検査をしておく必要があります。そのほか軽度の血圧降下作用があります。

◆さんしょう
赤痢菌などのグラム陰性菌、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性陽性好気性菌に抑制作用があります。腹痛、嘔気、嘔吐に効き、また腹部の血液循環を良くするそうです。

◆紫蘇
胃腸、身体の弱い老人、子供の風邪症状、胸が苦しい、気持ちが悪い、下痢熱、などに良いですが、作用は弱いです。お刺身につけるのも食中毒の予防の意味もあるのですね。

◆生姜(しょうが)
発汗作用があり、胃腸の機能を高め嘔気に効きます。生姜湯など溶かして飲むものを薬局で売っていますが、風邪の予防にもなり、風邪をひきそうだというときにも良いです。

◆西瓜
夏に良く食べますが、日射病、熱射病、などに利尿作用、解熱作用があります。食用には適量をつぶした汁を毎日1〜数杯飲んでも良いと出ています。多食してはならないそうです。身体に良いからといって何事もほどほどが良いのです。

◆大根
漢方では大根の種を使いますが、大根をはちみつに漬けて食べたりもしますが、胃腸の働きを良くし、また咳止めの作用があります。

◆冬瓜(とうがん)
利尿、消炎作用(炎症性の腫脹、化膿に効果)、去痰作用があります。
◆どくだみ
最近はどくだみを煎じるということは少なくなりました。虚弱体質のだるい、頭がふらつく、目がかすむ、胃がもたれるなどの症状に効き、また動脈硬化、高血圧、冠不全などに良いようです。

◆なす
下痢、血便、歯痛、化膿症に用います。

◆なつめ
胃腸機能の調整、鎮痙、鎮静、利尿作用もあります。でも甘みが強く腹部膨満や、便秘の症状のあるときは良くないそうです。

◆にっき
シナモンとしてご存知の方も多いと思います。血管を広げ発汗作用があり、胃腸の働きを良くします。

◆にら
寒気、頻尿、夜間多尿、また嘔吐などにも効果があります。

◆にんにく
抗菌作用があり、細菌性の下痢などに効きます。

◆ねぎ
発汗、解熱作用があり、利尿、健胃、去痰作用、抗菌、抗真菌作用があり、下痢にも効きます。風邪のとき暖かいねぎを入れた味噌汁が良いのです。

◆麦芽
消化不良に効果があり、哺乳の中止や断乳などで乳汁がうっ滞して乳房がはって痛むときに効くそうです。

◆薄荷
これもおなじみです。消炎、鎮痛、健胃、整腸、かゆみどめ、抗菌作用などあります。

◆はす
利尿、鎮静、降圧作用があります。

◆びわ葉
最近はびわのお茶も売っていますが、咳や痰をしづめ、健胃作用があります。

◆紅花
降圧作用、冠状動脈拡張、また子宮の血液の循環を改善します。

さて、こうしてみるとほとんど日常で食べているものが、薬と考えて良いくらいです。西洋の肉、サラダ、パンの生活に比べると東洋の食の歴史がいかに奥深いか思い知らされます。さらに続きます。

◆豆
いろいろな豆も普段食べています。大豆、あずき、黒豆などそれぞれ多少働きは異なる点はありますが、大豆は健胃、消化の補助、発汗などの作用があり、あずきは利尿、解毒、消炎、便通を良くするなどの作用があります。豆は植物性蛋白であり、ビタミンEも含み血液の流れも良くするのです。

◆みかん
胃や腸の働きを良くし去痰の作用があります。また毛細血管を強めます。

◆桃
鎮痛、消炎、解毒、通便の作用があります。生理痛、生理不順などや、打撲の内出血、痛みにも良いようです。

◆山いも
ながいもとも言い、漢方では山薬といいます。滋養強壮の効果があり消化を助け、気力、体力を補い、筋肉を強めます。体力のない人の下痢や咳に効きます。

◆ゆり根
利尿、咳止め、鎮静作用があります。

◆よもぎ
止血作用、抗真菌、健胃作用があります。

◆れもん
健胃、去痰作用があります。


こうしてみると、食材に恵まれ、しかも身体に良いものばかりの東洋に暮らして良かったと思いませんか?
テレビであれが良い、これが良いと言っていますが、偏らずに、色々食べしかも食べ過ぎ飲みすぎに気をつけていただければと思います。
 そして、七草粥などを含めて昔からある食の伝統を見なおしませんか?

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